2012年10月7日日曜日

御神輿担ぎ


まだ気温が高い日もありますが今年も夏が終りました。
夏の風物詩の1つとして代表的なものに夏祭りで見かける御神輿があります。
私は、毎年夏から秋にかけて都内のお祭りで御神輿を担いでいます。今年は5月から9月にかけて5回担ぎました。一般的にお祭りで御神輿を担ぐようになった由来は、神様の魂を神輿に乗せ街中をめぐりその偉大な力を振り撒き、また街を清めてもらうためと言われています。そして荒々しく神輿を担ぐことが庶民の憂さ晴らしの場になっていたと聞いたことがあります。今回は、なぜ私は御神輿を担ぎのが好きなのかについて文字にしてみました。
御神輿を担ぐとき、担ぐ人の性別、年齢、社会的地位は全く関係がありません。日常生活では「この人は普段どこで何をしている誰さんなのか。どんな人生を歩んできたのか。」というその人自身に関する情報を知りたくなることがありますが、この場ではそのような情報はどうでもよくなります。でも仲間といると安心感があります。それは、今日ここに集まってきた人が、御神輿を担ぎたい、楽しみたいから来たのだという自分が一番大切にしたい目的と同じであることがわかっているからです。普段、初対面の人に会ったときに自分と他人とが共有できる話題をさがすための会話が必要なく、自分と同じ目的であろう人が集まっていることから得られる安心感です。そして前の人と歩調を合わせながら一定のリズムで足を運び、「わっしょい!そいや!」など、周囲の声を聞きながらその声に合わせて自分がその場で出したい声を出していきます。肩にズシリと重くのしかかる担ぎ棒の重みを全身で感じ、腕や肩が棒に密着した感覚を感じ、汗が額からジワジワでてくる毛穴の変化を感じ、前後の人と密着してその人の体温や声の響き、汗で濡れたハンテンを自分の胸や背中を通して感じます。個としてその場にいながらも周囲の声、動き、音を自分の身体を通して感じながらそこに自分の声、動きを重ねていくような気持ち良さがあります。この時「ちょー気持ちいー」としか言いようがない状態になりますが、心ここにあらずの宙に浮いたようなハイテンションな状態ではなく、今起こっていることを強く感じています。この時、マインドフルネス(神輿を担いでいる今この瞬間に自分が感じていることに集中している状態)になっているのだと思います。また、ここに集まっている人の表情を見るのも好きです。御神輿を担いでいる人、応援している人のそれぞれがイキイキと幸せそうな表情をしています。自分自身が楽しいのはもちろん、今周囲で起こっている色んなことを感じて楽しみが広がっている表情のように見えます。このような色々なことを身体全身で感じることができるから、私は、御神輿担ぎが好きです。

※今年9月の牛嶋大祭(向島)風景

銀座教室事務局オペレーター 菜穂子


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